
私たちの生活に犬の占める役割は、計り知れないほど大きなものです。精神的な面では、心に潤いと安らぎを与えてくれますし、生活の場でもいろいろな面で役立っています。反面、反抗的な態度や勝手な行動をとって困らせたり、周囲の人に迷惑を掛けることもあります。主従の関係を確立し、犬を従わせるために、しつけや訓練が犬に施されますが、人と犬の本質的な違いを認識し、犬の習性や性格をよく理解して行わない限り、そうそう上手くいくものではありません。
人は一方的に犬を自分の社会に引き入れ、支配者としての立場を保とうとし、犬は本能や習性に基づいた行動で、自分を主張します。人間的感覚で犬に自覚や反省を求めることは不可能です。
人間的な考えを動物的感覚に置き換えて、物事を教え、体得させることも必要なときがあります。犬の好ましくない態度や悪癖のほとんどは、私たちが気づかないうちに芽生えたものを、助長させ習慣化してしまったことが多いようです。
矯正するためには、原因を探り、その時点までさかのぼって方法を講じなくてはなりません。しつけや訓練は、あらたまって行われるものではなく、私たちの生活に直接結びついたものでなければなりません。
習慣化するためには、忍耐強く時間をかけることも大切です。的確な指導と深い愛情、明確な賞罰が犬の一生を決定づけることになります。